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研修報告

2月19日、「3.11の今がわかる会議in神戸」が開催されました。
主催は、東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)さんです。
 ※いわて連携復興センターは、JCN岩手担当として関わっております。
この企画は、これまで「現地会議」と称して被災3県で課題解決、つながりづくり、情報発信を掲げて開催してきたものを、より全国に出向いて現地の声を届けようと実施されたものです。
1月30日には、名古屋でも開催されました。http://www.ifc.jp/news/workshop2/entry-2492.html

当日は、77名の参加者が集い、以下のプログラムで進められました。

第1部:話題提供「知る」
<テーマ> 災害公営住宅の課題やコミュニティ形成への取り組み事例報告
<話題提供>
 ・社会福祉法人 陸前高田市社会福祉協議会 松本 崇史氏
 ・社会福祉法人 南三陸町社会福祉協議会 髙橋 吏佳氏
 ・NPO法人 みんぷく 長谷川 秀雄氏
<コーディネーター>
 ・東日本大震災支援全国ネットワーク 中野圭(岩手担当)

第2部:パネルディスカッション「学ぶ」 
<テーマ>9年目を迎える東日本大震災の現状と課題
<登壇者>
 ・NPO法人 いわて連携復興センター 酒井 菜穂子氏
 ・社会福祉法人 宮城県社会福祉協議会 北川 進氏
 ・NPO法人 移動支援Rera 村島 弘子氏
 ・いわき明星大学 准教授 高木 竜輔氏
<ゲスト>
 ・NPO法人 よろず相談室 牧 秀一氏
 ・NPO法人 神戸まちづくり研究所 野崎 隆一氏
<コーディネーター>
 ・東日本大震災支援全国ネットワーク 栗田 暢之

第3部:フロアーセッション「考える」
<テーマ>全国からの東北への関わり方を考える
<コーディネーター>
 ・東日本大震災支援全国ネットワーク


第1部では現場で活動する団体から災害/復興公営住宅の支援を通じて現場のいまを知りました。

陸前高田市社会福祉協議会の松本さんからは、
引きこもりがちな男性高齢者のやりたい声を個別に吸い上げて、健康麻雀を実施し、人が集まるようになった。
今では社協が主体ではなく、やりたい人たちで自主開催できるようになった。という事例発表がありました。
また、主体的な住民活動を生み出し続けていくということに対して、
この先社協としてどう支援するべきか?
震災から20年が経過した神戸ではどのようにやっているのか?
という問いが投げかけられました。


第2部は各県域のコミュニティ支援などを通じ、
且つ地元神戸の方にもご登壇いただきパネルディスカッション形式で議論を深めました。

神戸まちづくり研究所の野崎さんからは、
「復興の終わりを考えることが大事。復興ってなに?という話は難しいし、先が見えなくなってしまう。」
「ゴールのイメージを持つこと。そこから逆算して、今の支援をつくっていくこと。」
よろず相談室の牧さんからは、
「頑張りすぎないでください。無理をすると折れてしまう。自分のペースでやっていく事が大切です。」
「今やっている支援は、住民にとって本当に必要なのか、今一度考えてみることも大切。」
とのコメントを頂きました。


2011年3月11日に発生した東日本大震災は3月で9年目を迎えますが、
復興は道半ばにあり、各県、各地域では、様々な個別化した課題が山積している状況にあります。
未だ残る仮設住宅のこと、災害・復興公営住宅のこと、市民セクターが果たした役割など、
東日本大震災から8年が経過した今を知っていただき、東北との関わり方を考える機会にしていただけたら幸いです。

阪神淡路大震災はボランティア元年。
東日本大震災は寄付元年といわれています。

東北の「今」を届けてくれた登壇者と、被災者支援の制度やしくみがまだ整っていなかった阪神淡路大震災からの復興をまさに「走りながら考え、必要なものを作ってきた」ゲストや会場のみなさんとのやりとりを聞き、
大きな災害から、私たちの意識や社会のしくみが変化するなかで
24年前から変わらないのは、人と人との繋がり、地域のチカラなのだということを感じた一日でもありました。


※3.11の今がわかる会議in名古屋、in神戸の動画を公開するため準備をしているところです。