HOME > 九州地震支援 > 東日本大震災の経験を踏まえた大規模災害時におけるNPO等の活動と役割 ― Vol.4(ボランティア受け入れ)/NPO法人いわてGINGA-NET

九州地震支援

※東日本大震災における支援活動の写真

いわて連携復興センターでは、4月16日に発生した九州地方を中心とする震災を受け、
日々支援活動に当たられている特に現地の支援団体の皆さまに向けて、
東日本大震災において復興支援活動に関わった岩手県内の団体より、
実際に支援活動を行った上での教訓やノウハウ等を寄稿いただき、今後本サイト上から発信してまいります。

なるべく現地の支援フェーズの移り変わりに合わせた内容を掲載してまいりますが、
いち早く配信し活用していただきたいと考え、
記事作成ができた順に掲載していきますので、何卒ご容赦ください。

第四弾は、震災後、民間団体として主に『ボランティア受け入れ支援』にあたった
NPO法人いわてGINGA-NETさんからの寄稿です。

【九州地震における現地で支援活動を行うNPO等の皆さんへ】はこちら
http://www.ifc.jp/news/notice/entry-1821.html

特定非営利活動法人いわてGINGA-NETとは】

2012年2月、東日本大震災被災地の支援活動を行う学生有志により
「特定非営利活動法人いわてGINGA-NET」(以下、GINGA)を設立。設立以降、学生ボランティアによる
岩手県被災地での復興支援プロジェクト(「いわてGINGA-NETプロジェクト」)を継続する他、
若者の人材育成事業、岩手県内学生ボランティアのネットワーク支援事業等に取り組んでいます。

特定非営利活動法人いわてGINGA-NETは、東日本大震災での復興支援活動をきっかけに設立しています。
ここでは、法人設立以前、代表者自身(八重樫は当時、岩手県立大学に在学していた)が経験した取組みや
その経緯、そこから得た「学生ボランティア受け入れ」に関する学びや教訓をわずかながら紹介させて
いただきます。

■フェーズ①:大学構内と近隣、被災地域災害VCでの活動
災害発生から数週間、避難所として開放されていた大学(岩手県立大学)構内へ、
近隣住民や在学生が避難していました。大学に設置されている学生VCは、3月14日(月)に
「学生災害VC」開設を宣言。その後、約1ヶ月間は避難所運営のサポート
大学近隣の見回り大学近隣の住民を対象としたサロン活動等に取組みました。
 一方、災害VC(釜石市、陸前高田市)運営支援に入った同センターの学生チームは、
ボランティア受付やマッチング、避難所巡回によるニーズ調査等に携わりました。この時期の活動は
災害VCスタッフの負担の軽減だけでなく、その後の長期的な災害復興支援を考えた場合、
現地災害VCや支援団体、地元のキーパーソン等との関係を構築する重要なものとなりました。
4月18日(月)、大学の通常授業開始とともに、こうした取組みは一旦の区切りを迎えました。


■フェーズ②:応急仮設住宅でのサロン活動
学生ボランティアの動きは、土日祝日を利用した日帰りの活動へ移行しました。
徐々に建設と入居が開始された応急仮設住宅でのサロン活動(コミュニティ形成支援)を開始。
現地社会福祉協議会と協働のもと実施し、生活支援相談員等専門職へつなぐため、活動記録
(地域住民の生活の様子やニーズ等)の作成と提出を行いました。


■フェーズ③:県外学生ボランティアの受け入れ、滞在拠点の整備・運営
この時期、すでに外部支援者としてのボランティアは減少する予測もあり、被災地側の思いとしては
なんとか多くの学生ボランティアを岩手県の支援につなぐこと、また夏休みに継続的な活動のしくみを
つくることが必要と考えていました。そこで①“現地まで”と“現地で”の移動手段
②活動中の滞在場所の確保を考え、試験的に学生ボランティアが
拠点滞在をしながら、ボランティア活動を行うことを試みました。ここでは移動にかかる経費を
参加団体の負担とし、現地滞在場所の提供を学生VCで手配しています。
また各災害VCからのニーズと参加学生の活動のマッチングや滞在中の生活に必要な地域資源の情報収集等も行いました。


■フェーズ④:岩手県被災地での復興支援プロジェクト
岩手県南部沿岸地域にアクセスのよい岩手県住田町を宿泊拠点として、全国から募った学生グループと
岩手県内各地でのボランティア活動に参加する仕組みを、ネットワークを組んで進めていこう、
という取組みを開始しました。

<リスクマネジメントの上で重要であったこと>
① 現地での活動内容を明確にし、その安全性を伝えること、
万が一の際の対策(ボランティア保険や緊急対応)を示すこと、
③ 現地の信頼できる支援団体(社協災害VC等)との協働体制を整えておくこと 等

<学生ボランティアの組織化とその運営のモデルにおけるスキームとして必要な要素>
1) 活動中の滞在場所(拠点)
2) 拠点までの移動手段
3) 現地での移動手段(拠点から各支援先の往復)
4) 拠点での寝食と入浴
5) 4)に関する地域資源の情報収集(食材調達のスーパー、コンビニ等、入浴施設)
6) 緊急時の地域資源情報(病院、警察署、消防署等の位置と連絡先)
7) 交通機関利用の場合の最寄駅や、そこまでの移動手段
8) 他に携帯電話各社の電波状況や拠点のIT環境等