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研修報告

国連が定めた、11月5日「世界津波の日」に合わせて、宮古市内のNPO団体が実行委員会を立ち上げ、「世界津波の日合同防災イベント」が、11月3日、4日の2日間にわたって開催されました。

爽やかな秋晴れの下、浄土ヶ浜ジオサイトウォークが開催されました。



浄土ヶ浜ビジターセンターのガイドさんに案内していただきながら、浄土ヶ浜の地形、過去の津波を伝える石碑、東日本大震災の爪痕、などを見て歩きました。
浄土ヶ浜の石浜では、背後に避難道があることから「もしここで津波が来たら・・・?」「津波の速さはどれぐらい?」という問いに想像しながら※、時には驚きながら命を守るための行動がいかに大切かを学びました。参加者の中には、震災後に生まれた子どもたちや、震災時の記憶がある中学生の参加もありました。彼らにとっても、改めての学びとなったようでした。
※沖合だとジェット機なみの速さ、津波を見てからではウサイン・ボルトでも間に合わない



ジオサイトウォークの後は、浄土ヶ浜ビジターセンターに戻り三陸の地形や過去の津波の歴史・被害について、説明していただきました。その後、参加者全員で「新聞紙で作る防災スリッパづくり」を行いました。新聞紙一枚で簡単に出来る防災スリッパに、皆さん喜んで作成していました。

翌日は、田老津波文化とフォトウォークが開催されました。


まず、ラジオ体操で身体をほぐし、東日本大震災で地盤沈下した分を足して、10メートルに戻した防潮堤の上を歩きました。津波襲来をいち早く感知するための監視カメラや万里の長城と呼ばれた防潮堤が、東日本大震災の時にどのように機能したのか・・・。地元のガイドさんの言葉が胸に迫りました。



その後、昭和・明治の津波を伝える石碑や避難所代わりとなったお寺を回りながら、避難所となっている高台まで歩きました。そこから一望した町の様子は、同時開催された震災前の田老地区のかつての町とずいぶんと様変わりしていることに改めて気づかされました。



午後からはたろう観光ホテル前を通りながら、三王岩まで歩いていきました。東日本大震災の津波で15メートル流された“津波石”と呼ばれる巨石の横で、生き残った松の木をみんなで見上げました。


先人たちが残してくれた教訓を、今度は私たちが伝えていく役目があるのだと実感した2日間でもありました。世界津波の日合同防災イベント実行委員会は、今後も連携しながら、防災について地域の皆さんで考えるイベントを実施していきます。

※開催にあたり、H30年度被災者支援コーディネート事業の一環でサポートさせていただきました。