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研修報告

3月23日(土)、釜石PITにて『子どもの「いのち」を守り育む居場所のつくり方~地域・民間・行政が手を取り合って~』を開催しました。
講師には、NPO法人フリースペースたまりば理事長の西野博之氏をお迎えし、子育て支援関係者、行政職員、不登校や子どもの居場所について関心のある方々が、50名近く参加されました。



・貧困家庭で育つ子ども 
・非行や暴行を繰り返す子ども 
・いじめに苦しむ子ども

西野氏が30年以上、川崎市で様々な背景を抱える子どもたちと接してきた事例を基に語られる言葉には、一つひとつに重みがあり、会場中がひきこまれていきました。



困難を抱えている子ども達のSOSを見逃すことなく、“あきらめない”を手放すことなく
必要と思われる場や、しくみを地域の中で着実に創ってきた取りくみに、会場の皆さんはメモを取りながら感銘をうけていたようでした。

川崎市の河川で不登校の少年が、少年グループから暴行を受けて亡くなった事件は記憶に新しいことと思います。その後も、親からの虐待で幼い子どもが命を落とす事件が相次いでおきました。

西野さんは、1998年から子どもと市民と行政が一緒になって川崎氏子どもの権利に関する条例」の策定に取り掛かっています。この策定には、子どもも参加して2年間で200回以上の会議や集会を開催し、2000年12月の市議会で、満場一致で採択されたそうです。
最後に、西野さんからこの条例策定に関わった子ども達からのメッセージを紹介してくださいました。

『まず、おとなが幸せにいてください。
おとなが幸せじゃないのに、子どもだけ幸せにはなれません。』



このメッセージに、会場にいたすべての大人たちが胸をうたれました。その後、グループに分かれて、感じたことや西野さんへの質問などが、時間ぎりぎりまで熱心に交わされました。
また、終了後のアンケートには皆さんの想いがびっしりと書き込まれ、本日の講演会を受けて
感じて下さった想いの強さに、終了後、西野さんを含めてありがたく拝見しました。



今回の講演会を通じて感じた様々な想いを胸に抱き、地域のなかでの子ども達の状況、課題を丁寧に拾いながら、岩手の子ども達が「ありのままで過ごせる居場所」について、地域・民間・行政が手を取り合って、考えていきたいですね。

この事業は、社会福祉法人中日新聞社会事業団の助成を受けて、釜石子ども支援連絡会「ゆるっと」が主催、NPO法人いわて連携復興センターが共催で実施しました。
これまでゆるっと会議の中で、繰り返し議論してきた「子どもが安心できる居場所とは?」の
大きな気づきと確実な一歩を歩むためのきっかけとなった講演会でした。

※釜石子ども支援連絡会「ゆるっと」とは・・・
→東日本大震災を契機に釜石で子ども支援に携わるNPOや個人、行政などが定期的に集まり、地域の状況や取り組みの課題共有を通して、子どもたちを取り巻く様々な課題解決にむけた連携・協働をしています。子ども達のより良い育ちの場づくりに思いがある方であれば、どなたでも参加可能です。参加メンバー随時募集中です。