HOME > 研修報告 > 岩手・地元で活用できる新たな財源を知るセミナー ~休眠預金や地域で集める小口出資、SIBなど~(報告)

研修報告

7月5日(金)、岩手県民情報交流センター(アイーナ)にて「岩手・地元で活用できる新たな財源を
知るセミナー」を開催し、25団体35名にご参加いただきました。講師は、公益財団法人地域創造基金
さなぶり
専務理事の鈴木祐司さんです。

現在、全国的に、ふるさと納税の活用、遺贈寄付、休眠預金など様々な地域の課題解決の為の
市民の意志を反映させる循環する資金について議論されているのを受け、地域の皆さんに
「地域で活用できる新しい財源」の基礎について触れて頂き、岩手における地域の課題解決の為の
循環する資金を増やし、地域課題を解決していくための活用法について考えていきたいと思い開催しました。

冒頭、鈴木さんから「今日は、地域で活用できる新しい財源の基礎についていくつかの方法を知り、
自団体に合うのか合わないのか、使うのか使わないのかを考えるきっかけにして欲しい」との
投げかけがありました。

そして、具体的に以下4つの資源について紹介されました。
① SIB:ソーシャル・インパクト・ボンド
② 社会課題への市民出資
③ GCF:ガバメント・クラウド・ファンディング
④ 休眠預金

参加者からは、市民出資型のリターンの仕組みや、ガバメント・クラウド・ファンディングのような
行政とタッグを組む機運を高めるにはどのようにすればいいのか?などの質問も出され、
具体的な事例を交えて学ぶことが出来ました。どの資源も、「投資」という視点や「地域と行政が
一緒に課題を解決する取組み」などの特徴があり、それぞれのしくみを理解した上で、各団体が
どれを活用していくかを考えるプロセスがとても重要なのだと感じます。

最後に鈴木さんから「『どうせ自分たちには無理』と思ったら絶対無理。自分たちで枠を狭めずに、
例えば、『3年後に自分たちが地域でどんな活動をしてどんな風になっていたか』を毎年団体として
考えるなど、自分たちのリミッターを外して、そのために必要なものを考えてくといい。」との
アドバイスがありました。

東日本大震災をきっかけに「復興支援」の思いからスタートした団体も数多くありますが、
時間の経過とともに、復興のその先を見据えて、地域に必要な活動として継続することにシフトして
きています。さらに、NPOも行政もそれぞれの立場で、これからの地域の活性化を目指して動いています。

こうした地域で活動を続けるみなさんにとって、地元で活用できる財源を考えていくことは
非常に重要です。いわて連携復興センターでは、今後も地域で頑張るみなさんが必要なことを学ぶ機会を
作っていきたいと思います。