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連携会議(県内)

7月13日、第4回東日本大震災全国ネットワーク(JCN)現地会議in岩手が、
大船渡市のリアスホールで開催されました。
(主催:東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)、共催:NPO法人いわて連携復興センター、
 協力:NPO法人日本ファシリテーション協会、NPO法人アワープラネット・ティービー)
当日は県内から、会場いっぱいの約100名の方にお越しいただき、
今後の支援・連携を考える場となりました。

プログラムに沿って、当日の模様をご報告させていただきます。


【あいさつ】
会に先立ちまして内閣総理大臣補佐官・本多氏よりご挨拶いただきました。
現場を回る中で、支援者のサポートが大事だと実感し、支援者間で連携できる仕組みや、
ボランティア派遣などしっかり取り組んでいくという力強い言葉をいただきました。

【情報提供】
・復興庁・藤沢氏より、主に復興ロードマップ、復興支援型地域社会雇用創造事業などの
 情報提供がありました。
・岩手県復興局生活再建課・藤澤氏より、岩手県内の状況についてのアナウンスがありました。
 特に被災された方々の「情報の格差」が存在し、行政からの情報が伝わっている人と、
 そうでない人の溝を埋めるためにNPOにも情報周知などご協力いただきたいとのお話がありました。


【テーマ1・知る】
第1部はJCN代表世話人田尻氏の進行で「岩手県内での連携取組」の報告がありました。

宮古市社会福祉協議会・有原氏より、経験のない大災害と経験のない災害ボラセンの運営に直面し、
NPO・NGOや企業、大学などの協力を得て積極的に連携をとり、活動してきた。
様々なセクターがいる中で、皆で顔を合わせ丁寧にニーズを調べ上げ、
必要となる支援活動のプログラムを考えていく中で、それぞれの得意分野がわかり、
役割分担できたとお話しいただきました。

NPO法人いわて地域づくり支援センター・若菜氏からは、大船渡市崎浜(さきはま)地区での
地域コミュニティとの連携取り組みが発表されました。住民・自治会が主体となって立ち上げた
地域の復興会議とともに、合意形成のワークショップ運営や、中越被災地視察、
高台移転候補地視察などを行い、復興へ向けて住民と歩んでいる。
主体が男性を対象とした番屋プロジェクト、女性を対象とした記念誌プロジェクト、
若者を対象としたホームページプロジェクト等、様々なの事例が発表されました。

大船渡アクションネットワーク会議・大関氏からは、大船渡の支援活動者が集まる場の設置に至る
経緯や、連携の意義などについてお話がありました。緊急支援フェーズがある程度落ち着いた段階で、
支援のもれやヌケがあってはいけないと、支援者に呼び掛け情報共有する場を設定した。
物資の配布を各団体で役割分担していく中で信頼関係が構築され、連携をして事業を行うまでになった。
これからは過疎化の問題やまちづくり、雇用といったことがテーマにとなる。
さらに、この会議をいかに地元の団体・人材に引き継げるかがポイントになり、
あくまでも主役は地元の人間で、外部支援者はわき役に徹することが重要との意見が出されました。

このセッションではキーワードとして、「地元」「若者」といったこともあげられました。


【テーマ2・学ぶ】
テーマ2ではNPO法人いわて連携復興センター代表・鹿野の進行で阪神・中越の復興事例が共有されました。

社団法人中越防災安全推進機構復興デザインセンター長・稲垣氏より、
中越に関する復興プロセスが語られました。
避難所・仮設・復興公営住宅などのプロセス・形態に合わせたニーズが存在する。
そのニーズもある程度のパターンの中で予測できるので、それをしっかり把握していくことが大事。
また、かわいそうな人を助けるとか、失ったものを補完するという感覚で活動をしていない。
頑張って生きている人たちを応援して一緒にやっていくという気概で取り組んでいることが結果的に
モチベーションの維持につながっているとお話しいただきました。

新潟県総務管理部副部長兼自治研修所所長・丸山氏からは、災害時に行政としていかに
取り組んできたかが語られました。新潟県として、「一人もとりこぼさない」ということを
スローガンに活動してきた。仮設にいる最後の一人の、住居の建設のめどが立つまでは、
復興に舵をきらずにひたすら復旧ということをやってきた。
中越の場合は3年かかったが、東日本では規模が大きいので、復旧度合の格差が大きくなるのではないか。
その中で復興にいかに舵を切っていくか。スピード感と同時に10年スパンの視点も
重要とのお話をいただきました。

NPO法人都市生活コミュニティセンター・池田氏からは阪神の際の復興基金のお話がありました。
当時は基金にお金を集め金利で運用し、それを復興のために使うというスキームでやってきたが、
現在の低金利ではそれはできない。また、基金化することである程度行政と分離させ、
スピード感のある資金提供が可能になる。今回の岩手では基金が分散し、
わかりにくくなっているかもしれない。継続的に基金の事業や中身をどうするのか、
しっかりと考えていくことも大事だということが話されました。


【テーマ3・つながる】
 テーマ3ではブースを3つにわけ議論を深めることと交流を行いました。
「行政・社協とNPO」「地域コミュニティとNPO」「NPOとNPO」という分野で、
それぞれ活発な議論が展開されました。

後半は自由交流とし、様々な人とつながる時間が演出できました。


今回で4回目となった現地会議ですが、今後の支援・連携において中心的な役割を果たすのが
「地元住民」であるということがキーワードとなりました。
しかしながらその地元住民をいかに支えていけるかということもポイントになります。
「地元住民が主役」ということをもう一度再認識した会議だったと思います。

今回開催された、第4回JCN現地会議in岩手の様子が新聞に掲載されました。


ファイルイメージ

平成24年7月15日 東海新報掲載記事


ファイルイメージ

平成24年7月14日 岩手日報掲載記事