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研修報告

5月17日から19日にかけて、3県連携復興センターの皆様とともに、神戸市へ視察に行ってきました。

今回の目的は、阪神・淡路大震災からの復興の足跡をたどり、東日本大震災の支援活動の糧とすることと、
神戸復興塾など、市民の中心となって活動した方々から、コミュニティ形成やまちづくりに関する事例を
学ぶことが目的です。当法人からは2名参加しました。


12:00に宮城・福島の連携センターの皆さんと伊丹空港で合流し、
最初の視察地「人と防災未来センター」へ。
このセンターは、阪神・淡路大震災の経験を語り継ぎ、その教訓を未来に活かすことを目的に、
「減災社会の実現」「いのちの大切さ」「共に生きることの素晴らしさ」を世界へ発信する施設として
設置されています。
また、世界的な防災研究の拠点としての機能も担っています。


施設内には、「防災減災フロア」「震災の記憶フロア」「震災体験フロア」などがあり、
震災から復興までの記録を時系列で展示しているほか、
行政や市民活動団体などセクターごとの取り組みの様子も分かりやすい形で展示されていました。
また、資料室には、阪神・淡路大震災や防災に関する資料が公開され、
震災や防災について深く学ぶ場も併設されていました。


東日本大震災という歴史的な震災をを風化させず、後世に語り継いで行く手法として、
「人と防災未来センター」が持つ機能や手法、そして阪神・淡路大震災からの復興の過程を
目にできたことは、とても勉強になりました。


人と防災未来センター」の次に向かったのは、神戸市長田区。
ここは阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた地区であり、仮設住宅期後、
多くの復興住宅建設された場所でもあります。
現在は、漫画家横山光輝さんの出身地という事もあり、鉄人28号と、
三国志を取り入れたまちづくりを行っています。


長田区では、コレクティブハウジングという形態を持った復興住宅の内部を見学させていただきました。
コレクティブ住宅は、協同居住型集合住宅とも呼ばれ、居住空間の他に、協同スペースとよばれる、
協同台所、食堂、談話室、路地広場など、住民の方が触れ合う空間が設けられているのが特徴です。
入居にあたっては、入居予定者によるワークショップが幾度も開催され、
住民の想いが反映された住宅となっています。
案内をしてくださったのは、神戸復興塾のメンバーでもある石東直子さん。
石東さんは、コレクティブ住宅の建設にあたり、入居予定者のとりまとめの中心になった方です。

協同スペースは入居者の集う場として使われたほか、お葬式などにも使用され、
身近なご近所付き合いが住宅の中で行われる環境が整備されていました。
しかし入居者の高齢化に伴い、住民も当時から入れ替わり、協同スペースの利用は減ってきているとのこと。
これから岩手県沿岸部でも復興住宅の建設が始まります。

コレクティブ住宅という持続的なコミュニティ形成を保つ試みを持った住宅形態はとても参考になり、
また、、現在直面している問題などは、岩手でも当てはまるものだと感じました。

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