2025年7月26日、大船渡市にて開催された【大船渡市大規模林野火災初動ふりかえりプロジェクト】の分科会「ボランティア・炊き出し活動」に、弊法人 代表理事の葛巻がファシリテーターとして参加しました。
このプロジェクトは、一般社団法人大船渡青年会議所(JC)さんの主催によるもので、発災時の行動を関係者がともに振り返り、次なる災害に備えることを目的としています。会場には、JC、市社会福祉協議会、NPO、地域住民、高校生など、多様な立場の方々が集いました。
開会にあたっては、鎌田理事長(大船渡JC)より「発災当初からの振り返りを、今後の備えにつなげたい」との趣旨説明があり、岩手大学地域防災研究センター・福留先生の講演を経て、グループワークがスタートしました。
「東日本大震災での経験が活きた」「平時のつながりがあったからこそ炊き出しがスムーズに行えた」「高校生にも“依頼”するだけでなく、一緒に内容を考えてもらうことが重要」など、現場ならではの具体的な声が多く交わされました。
また、2,000人以上のボランティア登録があった一方で、「全員に活動の機会を届けられなかった」課題も共有されました。
大船渡市では2021年より、大船渡JC・大船渡市社協・おおふなと市民活動センターによる三者連携協定が締結され、年数回の会議や研修を通じて、震災の経験を活かした体制づくりが続けられてきました。
今回の林野火災における初動対応では、この連携のもと、避難所での炊き出しやボランティア活動、行政との調整がスムーズに進められました。また、いわてNPO災害支援ネットワークとしても、現地の情報発信や支援体制づくりにおいて連携を図らせていただきました。
現在は、大船渡市よりの委託を受け、大船渡市社会福祉協議会の4名の生活支援相談員が約100世帯を対象に、見守り支援を実施中です。
また、民間団体である大船渡よりそい・みらいネットが災害ケースマネジメントを担い、地域NPOの皆さんとともに、被災された方々に寄り添った支援が継続されています。
今回の振り返りの取り組みは、3.11の経験を継承するだけでなく、現在進行形の支援にも生きる大変意義深い場でした。
参加者同士の対話を通して、「地域の中にこんな担い手がいたんだ」という発見もあり、ワークショップ形式による気づきの共有も、大きな成果の一つだったと感じています。
いわて連携復興センターでは、今後も地域の多様な主体と連携し、災害時の支援体制の構築と、平時からのネットワークづくりに取り組んで参ります。